写す・映す・移す・遷すの意味の違い

今回は「うつす」という読み方をする同訓異字について考えてみましょう。「写す」「映す」「移す」「遷す」はそれぞれどういった意味がある言葉なのでしょうか。普段何気なく使うことも多いこれらの「うつす」ですが、正しい意味を理解し、適切に使い分けができるよう解説していきます。

「写す」の意味

まず最初に「写す」の意味を説明します。「ある物に似せて作る。文字・文書・絵などの原物を見ながら、それに似せ、またはそのとおりに他に書きとる。転写・模写する。」「見聞きしたものを絵や文章に書く」という二つの意味があります。物を見て直接模写・転写すること、または、見聞きしたものを書くこと、どちらの場合も「写す」を用います。

「映す」の意味

次に「映す」とは「物の影・光などを他の表面に表す。投影する。水面・鏡などに姿・形が現れるようにする。映画・スライドなどで、映像をスクリーンの上にあらわす」とあります。投影することを「映す」と考えておくとわかりやすいでしょう。

「移す」の意味

「移す」とは「事物をある位置・状態から他の位置・状態に動かしかえる」「視線や心を他に転ずる」「時を過ごす。時間を費やす」「その状態から新しい状態に変える」「病気を他に伝染させる」という多くの意味を持っています。

「遷す」の意味

最後に「遷す」の意味について説明します。前項の「移す」の意味にもあった「その状態から新しい状態に変える」の中でも特に「地位を他に変える。配置替えをする」という場合に「遷す」が使用されることがあります。ちなみに、この「遷す」は常用外のため一般的に「移す」と表記される場合も多いです。

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この場合はどの「うつす」?具体的な使用例を紹介!

・子どもの成長を写真に「うつす」ことが楽しみだ
この場合は「写す」が正解です。写真はその場の風景をデータに転写していますので「写す」が正しい使い方になります。
・出かける前に鏡に自身の姿を「うつす」
鏡に自身の姿が現れる様子について述べていますので、この場合は「映す」が正解です。もし、これが鏡ではなく「出かける前に自撮りをして自身のすがたをうつす」という場合ですと、データを転写するという意味で「写す」が正解になります。
・彼の計画をみんなで実行に「うつす」
この場合は「移す」が正解です。計画を実行するということは、新しい状態に「うつす」という意味ですので、「移す」が正しい使い方になります。
・日本の歴史において、たびたび都を「うつす」ことが行われていた
「新しい状態にする」という意味ですので「移す」でも間違いではありませんが、その中でもこの場合は「配置換えをする」という意味合いで用いられていますので、「遷す」がより正しい使い方になります。

写す・映す・移す・遷すの意味の違いとは?まとめ

4つの「うつす」について解説しましたがいかがでしたか?「写す」と「映す」は間違えやすい言葉かもしれませんが「写す」は写真・絵・文書などを転写・模写する、見聞きしたものを書くという意味で使われているのに対し「映す」は投影する、スクリーンに表すという意味合いで使われていますので、その差は明確です。そして一番多くの意味を持つ「移す」の中でも特に「配置換えをする」という意味で使われているのが常用外の「遷す」という言葉です。それぞれの意味を理解し、正しく使ってくださいね。

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