無常・無情・無上の意味の違い

今回は「ムジョウ」という同音異義語について考えてみましょう。どれも「無」という言葉が使用されていますが、それぞれ何かが「ない」という意味で使用されているのでしょうか。3つの言葉の意味と使い分けについて詳しく説明します。

「無常」の意味

まず初めに「無常」の意味について説明します。「無常」とは「仏教で、一切のものは、生じたり変化したり滅したりして、常住(一定のまま)ではないということ」とあります。仏教用語であり、元はサンスクリット語を漢訳した「無常」は現在では「無常な」などといった使われ方もしています。

「無情」の意味

次に「無情」の意味について説明します。「無情」とは「同情・思いやりがないこと。人間らしい感情がないこと。非情」とあります。また仏教用語として「精神や感情などの心の働きのないこと。また、そのもの。草木・瓦石・国土など」という意味でも使用されています。

「無上」の意味

最後に「無上」の意味について説明します。「無上」とは「この上もないこと。最上。」とあります。以前は「無性(理由もなく、やたら)」という言葉を「無上」とも書いていましたが、現在では「無性」と同じ使われ方をする場合はほとんどなく、この上ない、最上という意味で「無上」は使用されています。

この場合はどの「ムジョウ」?具体的な使用例を紹介!

・「ムジョウ」の風が吹きすさぶ
・祇園精舎の鐘の声 諸行「ムジョウ」の響きあり
この場合は「無常」が正解です。「無常の風」とは「人の生命を消滅させる無常の理法を、花を散らし灯火を消す風にたとえていう」という意味があり、仏教用語として使用されています。また、もう一遍は有名な平家物語の一説ですが、こちらも世の中は一定ではない、変化するという意味で使用されています。

・「ムジョウ」にも彼はみんなの意見を退けた
・砂漠は「ムジョウ」の世界が広がっている
この場合は「無情」が正解です。1つ目の例文は彼は思いやりや人間らしい感情がなくみんなの意見を退けた。2つ目は砂漠は草木・砂など心や感情のないものという意味でそれぞれ使用されていますが、どちらも「無情」が正しい使い方になります。

・彼女は子どもが生まれて「ムジョウ」の喜びを感じた
・憧れの作家との仕事は「ムジョウ」の光栄だ
この場合は「無上」が正解です。どちらもこの上なく喜ぶ、光栄だと感じていますので、「無上」が正しい使い方になります。

無常・無情・無上の意味の違いとは?まとめ

今回学んだ「ムジョウ」のうち、「無常」と「無情」は仏教用語としての意味もある言葉だとわかりました。また、現在では使用されませんが「無性」と「無上」が同じような意味として使われていた時代もあることは新しし発見だったのではないでしょうか。それぞれに違った意味をもつ3つの言葉ですが、起源が似ているものや、以前は違った意味を持っていた言葉など言葉の意味以外でも発見がありましたね。

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